安全な取扱い〜〜装置メーカ発行の注意書き(抜粋)〜〜

はじめに (装置メーカーより)

弊社ではワイヤー放電加工機の製造者として、機械使用上での危険を事前に避けるため、様々な安全対策をとっております。しかし機能の特性上、避けられない危険があります。そのためユーザー様にお願いしなければならないことがいくつかあります。
そのために「安全マニュアル」を作成し、機械に附属しておりますので、取扱説明書と併せて必ず熟読され、理解された上でワイヤー放電加工機を安全に使用して頂くようお願い致します。
このセミナーテキストは「安全マニュアル」より抜粋したもので、これが安全の全てではありません。詳細につきましては取扱説明書および安全マニュアルをご参照ください。

注意

1.設置・使用環境
ワイヤー放電加工機は設置される環境が悪いと所定の機能・性能が発揮されないばかりではなく、種々のトラブルを発生する要因となります。次に示す条件を満足するようにして下さい。
・使用可能温度範囲は5〜35℃ですが、高精度加工の場合は恒温室内で使用してください。
 恒温室の推奨温度は20±1℃です。
・粉塵や導電性物質が飛散する環境では機械を使用しないでください。

2.使用前の注意
危険やトラブルを回避するために以下の点にご注意ください。
・ご使用前に取扱説明書および安全マニュアルを熟読し、ご理解ください。
・機械各部の動きが正常であることを確認してください。

警告
1.使用上の注意

1−1 使用者の制限
・機械の使用は、本セミナーを修了された方や操作方法を理解された方を専任者とし、その他の方は機械を運転しないようにしてください。
・電磁波の影響を受ける可能性がある医療用器具(ペースメーカー等)を使用されている方は、機械に近付かないでください。

1−2 感電の防止
・加工中や放電位置決め中、通電しているワイヤー電極・工作物・加工テーブルには絶対に触れないでください。
・本装置内部には電気部品が取り付けられています。水をかけないよう注意してください。誤って本装置内部に水がかかった場合は直ちに運転を停止し、主電源を切ってください。その後、弊社サービス部門に連絡し、指示を受けてください(工作センター職員に連絡してください)。
・金属製品(腕時計・指輪等)は感電しやすいので、作業時は着用しないでください。
・CRT画面フィルターおよびブラウン管の清掃をする時は、主電源を切ってから行ってください。
・加工時は自動供給装置の前面カバーやコラム部のカバー等、安全カバーを必ず付けるようにしてください。

1−3 液漏れ及び飛散の防止(浸漬機)
・ 加工液 を押すときは必ず加工漕扉を閉めるか、防滴カバーを付けた状態で行ってください。
・加工漕内に液が充満している時は扉のクランプレバーを絶対に緩めないでください。
・加工液タンクの液量確認は常に行ってください。また加工液を補充する際は加工漕の定盤まで加工液を入れ、加工液を循環させながら行ってください。
・ 液循環 ONの状態で排水を行いますと、加工液が飛散しますので注意してください。

1−4 傷害の防止
・Z軸の可動部、ファン等の回転部は挟み込みや巻き込まれの危険がありますので、自動運転中や段取り時、清掃時等には十分注意してください。特に2人以上で作業中の場合や見学者がある時には注意してください。

★注意したい可動部分
・ワークやテーブルとノズルの間
・Z軸の昇降
・自動供給装置のカッター部
・テーブルと下部ガイドの間
・テーブルと電源の間
・テーブルとタンクの間
・ワイヤー電極を指に巻いた状態で ワイヤ送り を押さないでください。また走行中のワイヤーにはむやみに触れないでください。
・機械の上には所定の物以外は置かないでください。落下や巻込み等の危険があります。
・服装(裾・袖口等)の挟み込みや巻き込みに注意してください。

1−5 ボタン・スイッチ・手元操作箱の取扱
・非常停止(ALL stop)ボタンに物を掛けたり、覆ったりしないでください。
・手元操作箱のケーブルを過度に引っ張ったり、曲げたりしないでください。
・手元操作箱を使用しない時は所定の場所に置き、不注意による落下等で誤動作や破損の原因にならないようにしてください。
・手元操作箱は両手を使ってスイッチ操作をしてください。

2.保守点検時の注意

2−1 保守点検方法
・保守点検は原則として、電源を切ってから行ってください。  *以下省略

2−2 保守点検者の制限
・本装置についての理解不足や誤操作による危険を避けるため、保守点検者は保守点検方法を理解された専任者の方とし、その他の方は装置に触れないようにしてください。